このところコロナの感染拡大に加え大雨による災害も相次ぎ
心を痛めるニュースが多いですね。
被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。
一日も早い天候の回復と復興をお祈り申し上げます。
そんな最中ではありますが〜
新型コロナの感染拡大のため美術館が休館になってしまった私も
何か自分たちにできることを…と、本日はせっせとブログを書いております(*^-^*)♪
そうそう、先日ブログでもお知らせしましたが8月23日に命日を迎える
川本喜八郎の追悼企画も中止を余儀なくされてしまったんです。
本当に残念です( ノД`)シクシク…
あ…、皆さん気付きました?
この8月23日という日付け。
そうなんです!川本は孔明と同じ日に旅立ったんです。
厳密に言うと孔明の命日は…
「正史には8月としか記載がなく23日と書かれているのは演義のみ」とか、
「旧暦の8月23日だから現在の暦にすると10月3日あたりなのでは…?」とか
「孔明の子孫が住むと言われる諸葛八掛村では8月28日とされる」とか
色んなお話があります。
でも、一般的に広く知れ渡っているのは8月23日。
この日に五丈原で旅立ったというのが有名ですよね。
それにこの方が孔明と川本が同じ日に旅立ったという二人の深い縁が感じられます。
( *´艸`)❤
川本は大正14年1月11日に東京の渋谷に生まれます。
川本と人形の出会いは祖母が紙でつくった姉様人形でした。
川本はそれを見よう見まねでつくってからは人形づくりに夢中になります。
やがて小学生の頃には粘土でつくった少女人形が渋谷区のコンクールで入賞します。
幼い頃から才能の片鱗が見られますね。
その後、中学生の頃には映画に夢中になります。
それから戦争を経験し東宝に入社。
この頃に川本の特技を知ったデザイナーから小道具や雑誌に載せる人形製作を頼まれ、
川本の人形が評判となり注目を浴びます。
これがきっかけで川本は人形の世界に足を踏み入れることになります。
そんな川本の代表作とも言える『人形劇三国志』では約400体の人形を制作しました。
驚くことに人形の頭(カシラ)は川本がたった一人でつくり上げました。
中でも「生みの苦しみを味わった」と言うほど苦労して作ったのが孔明でした。
なんと孔明がテレビに登場する前日深夜まで何度も作り直したんです。
川本曰く「人形が自分は孔明じゃないと言うので作り直すしかなかった。」と。
結局4回作り直し、最後にできた頭(カシラ)を身体に着けた時、
はじめて人形自身が「私が孔明だ。」と言ってくれたそうです。
なんとも不思議なお話ですが、
川本は「集中して作っている時にはそう言う瞬間があるんです。」と語っています。
川本が自らの魂を注ぎ込んで作り上げた孔明は鶴をイメージして作ったといわれ、
孔明の聡明さを表現するため瞳ははるか遠く彼方を見つめています。
しかし、頭が良いだけではないのが孔明の魅力👆
その温かい人柄を表現するため敢えて鼻は少し丸みを帯びた鼻にしています。
「天才軍師」と言われ一緒に劉備に仕えた龐統とは対照的で静かで洗練された佇まいです。
川本の最高傑作と言われている孔明。
コロナが落ち着いたらぜひお近くでごらんください。